- 「これまで薪はすべて買っていたけど、キャンプ場で薪拾いしてみようかな。」
- 「薪を拾うメリットは?」
- 「効率的な薪拾いのコツってあるの?」
- 「失敗して辛いキャンプになったらイヤだなぁ。」
キャンプ場で薪拾いをするためのに必要な知識や失敗しないためのコツについてご紹介します。
なぜ、薪をキャンプ場で拾うの?
薪をわざわざキャンプ場で拾う。「面倒」「大変そう」そんな声が聞こえてきそうですが、キャンプ場で薪を拾うといいことがあるんです。
薪拾いは楽しい。
キャンプ場や隣接した林などを探索して、使えそうな薪を探す。なんだかサバイバル的な感じがして、ワクワクしてきませんか?散策や探検にもなりますよ。
いい運動になります。
薪拾いをする時の動作全てが運動です。薪を探して歩きまわるだけでなく、薪を折ったり、ノコギリで切断したり、運んだりするのもけっこう筋肉に効きます。(笑)
そして運動すればお腹もすくので、キャンプ飯がさらにおいしくなりますよ。
仲間とのコミュニケーションに。
2人以上で薪拾いをすると、いいコミュニケーションになります。「この薪使えるんじゃない?」「こっちに薪けっこうあるよー!」など、自然と会話も増えていきます。
カップルでキャンプに行って薪拾いをすると、二人の距離がさらに近づくこと間違いなしだと思いますよ。
薪代はタダでございます。
薪拾いはタダですることができます。買った薪であれば1回のキャンプで700円~2000円ほどかかるので、おトク感があります。薪拾いをして浮いた2000円で高級肉を買って焚き火で焼きましょう。(笑)
集める必要があるもの
薪を拾う時は実際に焚き火をする時に必要になるものを意識しながら拾うといいです。着火に必要な火口(ほくち)、火口についた火を大きくするための焚き付け、そして炎を長時間いじするための薪を集めます。
- 火口(ほくち)…着火に必要
- 焚き付け…火口についた火を大きくするために必要
- 薪…炎を長時間いじするために必要
火口
火口はいちばん最初に着火するためのものなので、よく乾燥していて燃えやすいものを探します。
- 落ち葉
- ススキなどの枯れ草
- 杉の葉(落ちているもの)
- 松の葉(落ちているもの)
- 松ぼっくり
- 木の樹皮(森林保護のため倒れている木からとりましょう)
これらのものが着火しやすく、火口として適しています。
気を付けてほしいのは、危険生物です。落ち葉の下というのはムカデが好む環境ですし、倒れている木から樹皮を剥がしたら虫がいるかもしれません。手袋をするなどして、噛まれたりしないように用心しましょう。
そう聞くと「え、虫たくさんいるの?やだコワイ。拾いたくない!」と思うかもしれませんが、遭遇率はそれほど高くはないのでご安心を。(笑)
焚き付け
焚き付けは、火口に着火した火を大きくするためのものなので、燃えやすさだけでなく1分~5分のあいだ燃え続けるものを探します。
- 小枝
- 大き目の樹皮
- 火口も大量に集めれば焚き付けに使える
- 薪も薪割りをして細かくすれば焚き付けに使える
枯れ落ちて、乾燥している細かい枝などがうってつけです。曲げると簡単に折れて、 ポキッといい音がすれば、乾燥しています。
火口を多く集める、薪を割って小さくする、などで代用することもできます。
薪
薪は、一度ついた炎を維持するためのものなので、着火性より火持ちがよさそうかどうかを重視して探します。
- 太めの木の枝
ある程度の太さがあって、ズッシリとした木の枝がいいです。乾燥しているものでないと、うまく燃えてくれません。
ただ、どうしても乾燥したものが見つからないときは、乾燥していない枝でも頑張れば燃えるため、しかたなく拾うのもアリです。
ノコギリがあると大きな枝を持ち運べる大きさにするのが楽になりますし、ナイフで表面を削ってゴリッという感触があれば乾燥していると判断できます。
- ノコギリ…折り畳みのものでOK
- ナイフ…刃長は短めでOK
薪は焚き火をしている間ずっと燃やし続けないといけないので、特に多めに拾いましょう。薪の消費量の目安については別記事で紹介しているので参考にして下さい。
→焚き火の薪ってどれくらいの量用意すればいいの?
無理せず楽しくやりましょう
火口と焚き付けは着火剤で代用してもいいですし、薪は念のため少量持って行く、という考えでもいいと思います。すべを現地調達しようと意気込まないで、まずは無理せず楽しくできるところからです。
僕は全てをキャンプ地で拾うようにしていますが、念のため「まつやに(着火しやすい木)」と「薪を一束」、いつも準備しています。
- 火口・焚き付け…着火剤で代用可
- 薪…念のため一束は車に積んでおく
持ち運びのコツ
薪を拾ったら、焚き火をする場所まで運びます。何往復もして運ぶよりも、ひと工夫すると楽ができます。
大きすぎる薪は持てる大きさにととのえましょう
薪を拾ったら、持ち運びを意識した大きさに整えます。1mくらいずつの長さに切断すると持ち運びやすいです。運んだ後で焚き火をする時に適したサイズにすればOKです。
- ①まず持ち運び用にととのえる
- ②焚き火場所で焚き火用にととのえる
カバンに入れる
焚き火台入れと薪拾いの兼用カバンを準備すると便利です。一度入れてしまえば落ちる心配がないのですが、入る大きさまでカットしないといけないといった制限もあります。
ログキャリーでくるむ
薪を包むようにして持ち運ぶタイプのアイテムです。カバンタイプだと細かいゴミや虫などがカバンの中に残ってしまう…といった悩みもなくなります。
ログキャリーは山暮らし感が出てカッコイイのも魅力です。(笑)
ベルトやロープを使う
ロープやベルトで薪を縛るとクロウト感が出ます。
危険から身を守ろう
自然界には知らないと危険なものがあります。思いつく危険と対処法をざっとご紹介しておきます。
マダニ
草や藪(やぶ)の葉の裏で獲物を待ち、動物やわれわれ人間が通りかかったところで乗り移って血を吸ってきます。血を吸われると病原菌に感染させられてしまうことがあり、命にかかわることも。
対処法:
- 下半身に虫よけをつける(2時間毎にかけなおす)
- くさむらに入らない=マダニのいそうなところに近づかない
- ズボンの裾(すそ)から侵入されないようにする
- キャンプから帰ったらシャワーに入りマダニがくっついていないかチェックする
- マダニに噛まれていたら自分でとらずに病院へ
スズメバチ
山での死亡事故原因ナンバーワンがスズメバチです。遭遇率・攻撃性・攻撃力、どれも高いため、本当に気を付けないといけません。
対処法:
- 巣には近づかない
- スズメバチが近づいてきても手で振り払おうとしない
- 静かにはなれる
- 警戒音や体当たりで近づくなと警告されたら素直にその場を去る
- 一度でも攻撃を受けたら全力で走ってその場を離れる
あと、黒い服を着ていると、他のキャンパーよりも攻撃の優先度が高くなるらしいです。他のキャンパーさんを囮にして逃げたいなら黒は避けるべき。(笑)
ムカデ
落ち葉の下などに潜んでいるので、火口として落ち葉を集める時などに注意が必要です。
対処法:
- 落ち葉などは厚手の手袋をした状態で集める
ムカデに噛まれると激痛ですが、日本でムカデに噛まれて死んだという話は聞いたことがありませんので、その点はご安心を。
熊
山で山菜採りやタケノコ採りをしている人が熊とバッタリ出会ってしまって、熊も気が動転してしまって襲ってくる…というのが熊に襲われる典型的なパターンです。熱中して下ばかり見ていると周りが見えなくなるからでしょう。薪拾いしている時も気を付けなくてはいけません。
また、薪を探しているうちにキャンプ場から離れてしまうと、遭遇率が高くなるだけでなく、助けてくれる人も近くにいないといった状況になるため、さらに危険です。
対処法:
- 常に音を出す
- 鉈を持ち歩く(熊撃退実績ナンバー1の武器です)
- 熊撃退スプレーを持ち歩く(練習しないと咄嗟に使えないかも?)
- ナイフを持ち歩く(覆いかぶさってこられた時は鉈より使いやすい)
ただ、遭遇率はかなり低いもので、日本で年間1人前後の死者しか出ていません。
蛇
自然と同化しやすいため、近づくまで気づかないこともあって危険です。ハブやマムシなどは毒を持っており、噛まれたら血清治療をうけないと命にかかわります。
対処法:
- 木や落ち葉に同化している蛇がいないか周囲を観察する
- 厚手の手袋・長袖・長ズボンを着用する
- 見つけても近づかない(捕まえて食べようとかすると危険)
- 噛まれたらすぐに助けを求める
ただ、日本で蛇に噛まれることによる死亡例は数年に1件程度と、イメージの割に危険度は低いです。
目を守ろう
下を見て歩いていると、目の高さの木の枝などに気づかずに目を突いてしまう…といった危険があります。
注意点:
- 周りの状況を十分把握できるようゆっくり歩く
- キャップ帽などをかぶると目を守ることができます
- 眼鏡やサングラスなどをかけると目を守ることができます
コケないように地形に気を配ろう
山の中を歩くのはタイヘンです。注意しないと、コケてケガをすることも。ただのケガならいいのですが、頭を打って気を失って誰にも気づいてもらえないと、かなり危険です。
注意点:
- 登山用の靴など山で歩きやすい装備にする
- 地形を意識しながら歩く
- 余裕ある速度で歩く
- ケガをして動けなくなってしまっても助けが来るようにしておく
マナーを守ろう
キャンプ場で薪を拾う時に必要なマナーも確認しておきましょう。
管理人さんには一言伝えよう
あらかじめ一言伝えてもらえると、管理人さんもお客さんの行動が把握できて安心できますし、行ってはいけない場所や注意点なども教えてもらえるかもしれません。
他の人が拾っている近くでは拾わない
落ちている薪というのは拾ったら無くなってしまうものなので、皆が同じ場所で薪拾いをするとすぐに無くなってしまいます。
他の人となるべく場所がかぶらないように配慮しましょう。
余った薪は元あった場所に返してから帰ろう
もしも拾った薪を使いきれなかった場合は、そのまま置いて帰るのではなくて、拾った場所に戻してから帰りましょう。
あなたにとっては薪であっても、薪をキャンプ場で拾うなんてそもそも頭にない人にとってはただ邪魔なだけかもしれませんからね。
まとめ
いかがでしたか?薪拾いといっても、色々と考えることや知っておいたほうがいいことがあって、意外と奥が深いものです。でもだからこそ、何回キャンプ行っても飽きないんですよね~。
さいごに、この記事でお伝えしたことをまとめておきますね。ぜひ、楽しい薪拾いに挑戦してみて下さい。
- キャンプ場で薪を拾うのはいいこといっぱい
- 火口、焚き付け、薪が必要
- 着火剤や予備の薪もあると安心
- 持っておくと薪拾いがはかどるアイテムがいろいろある
- 危険を知り、備えよう
- 薪拾いマナーもだいじ